手法編 ネタと調理法 Posted on 2006年5月14日 by info ひとつは、書き出しというのが大きな要素です。 大宅文庫とか、ノンフィクション賞に名を残す大宅壮一は、最初の3行でがっちり読者をつかめ、といいました。 時間的な流れが逆になっても印象的な場面を冒頭の3行にもってくるとか、最...
手法編 効果 Posted on 2006年5月14日 by info 小説では、ハードボイルドは、心理を言葉で描くことを一切排除して、行動のみを描くという極端な手法をとることによってある種の効果をあげます。 説明を使わない。 会話を使わない。 会話以外の文を使わない。 比喩を使わない。 固...
手法編 テーマとは何か Posted on 2006年5月14日 by info テーマという言葉は、よく使われますが、漠然と使っているだけで、人に説明しようとすると、じつはよくわかっていない人が多い気がします。 テーマは直訳すれば主題で、恋愛をテーマにしたドラマといえば、終始、恋愛をめぐるストーリー...
手法編 言葉の魔法 Posted on 2006年5月14日 by info 「光あれ、と言ったら光があった」というぐらいのもので。言葉というのは一瞬にして世界を作り出してしまう力があります。 たとえば、 梅干し。 10個の梅干し。 そして、どんぶりに一杯のレモンの絞り汁。 などと書いた場合に、口...
手法編 原稿を削る Posted on 2006年5月14日 by info たくさん書いてから削る、ということは、「書きながら完成に近づけていく」ということですよね。 僕の場合、あるときから、そういう書き方はやめました。 ではどうしているかというと、 「完成してから書く」 ということです。 これ...
手法編 心情 Posted on 2006年5月14日 by info ほとんどの読者はあなたの心情や心象風景には関心がないのです。 そこを巻き込んでいくには周到な仕掛けがいります。 漆塗りでも、あざやかな朱を出すのに、黒を下塗りすると言います。 心情を前面に出さずに書くと、それは行間ににじ...
手法編 読ませる工夫 Posted on 2006年5月14日 by info 読ませるスピードをコントロールする工夫がほしい。 たとえば、下手にやるとあざとくなるのですが、体言止めがまじってもいいし、「、」でつなげて、なかなか「。」が出てこない長い文があってもいい。 ネタを生かす語り口、ということ...
手法編 セックスを描く Posted on 2006年5月14日 by info セックスを描くときには、自分を対象化して見る、突き放して見る、という作業が必須です。 頭で考えて書こうとすると、悪ふざけになったり、偽悪家ぶりが鼻についたりします。
手法編 著者の位置 Posted on 2006年5月14日 by info 自分が出たくないなら、出なくても、完全な3人称で書くことも可能です。 ちょっとでも出るなら、どういう立場にあってそれを見ているか、ということを少ない言葉でも明確にしなければいけません。
手法編 スタイル Posted on 2006年5月14日 by info 自己完結したスタイルというのは、他人に伝わるものが少ないのです。 文章の技術とは、表現上の技術であるとともに、根底的には人とつながる技術です。 自己完結したまま書く文章というのは、読者に「自己完結したままの私を愛してほし...