単純な理解

モノポリーやバンカースというゲームが子どもの頃、大好きだった。しかし、気がついてみれば、現実社会でそれを大人が血眼になってやっているのである。そして、いつのまにか、モノを作る人間より、金を動かすだけの人間のほうが幅を利かす世の中になった。
モノポリーは、独占という意味だし、ゲームの終わりは富の一点集中、他の人間の破産である。
M&Aで会社が会社を吸収するのが流行るということは、世界経済というゲームもそろそろ終盤を迎えたことを意味する。
日本政府は、さらに格差社会を是認し、拡大するような政策をとっていく。ますます加速度的に「金は金のあるところに集まる」現象が起きていく。
その傾向にはもう水をかけようとしても無駄だろう。
しかし、わからないのは、ただただ金を吸い上げられるだけの階層の人たちも、自分より下の階層の人たちを見下ろして、弱者を排除しようとする意識や風潮があることだ。
自分が弱者だということには、一向に気づく様子もない。
「勝ち組」「負け組」と週刊誌が面白おかしく書くが、ホリエモンがいくら金があっても勝ち組ではなかった。
本当の勝ち組は、最後の最後に生き残る者だけだ。
何兆、何十兆という金を動かす勢力が最後の勢力争いをしている。
それ以外の人間に経済のゲームでいまさら勝つ機会はない。
僕は表現というゲームをしている。
これは違うゲームだから、「奴ら」に負ける、ということはない。

1件のコメント

  1.  はじめまして。メルマガのいち読者です。サイトのリニューアルおめでとうございます!
    いつも、生活する上での様々な場面で村松先生の言葉を参考にさせて頂いています。
    これからも注目しています。
     「吸い上げられるだけの階層の人たちも、自分より下の階層の人たちを見下ろして、弱者を排除しようとする意識や風潮がある」現場を、田舎の小社会で実感する毎日でした。
     けれども、勝ちとか負けとかじゃなく、…逃げに近いのかも…と不安に陥りながらも、
    「より本来の生き方に近いほうへ」
     畳の目一つ分くらいにじり寄るを胸にして、小社会(仕事)から脱出する事を決意しました。
     なんだか今、村松先生にそれを聞いてもらいたい! という、甘えた一心でコメントを書いています。6月以降の「言葉の会」には、ぜひ遠方から参加したいと思っております。

halru にコメントする コメントをキャンセル