198号 もう一つの回答

198号について反響が来ました。
反響はいつも次の号に載せているのですが、最近配信間隔が広がっているので、こちらでも発表したいと思います。
非常に実感的体験的な意見で、よい意見だと思います。
僕の意見より本人の役に立つかもしれません(笑)。
まあ、両面があると思うのです。両方参考にしてください。
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村松様
こんにちは。***と申します。
秘伝198号に掲載されていた、午前4時に帰宅し涙を流しているディレクターさんのお
話に切ないほど共感してしまい、お伝えしたいことがあってメールさせていただきま
した。
メルマガ自体への感想ではないので、もし件の方にご連絡されることがあれば、応援
していると伝えていただければと思います。

文章書きディレクターさんの立場、わたしはすごくよくわかります。小器用なのです
よね? 文章が書けてリライトができて企画が立てられてスケジューリングもこなす。
村松さんは「フリーになる覚悟と準備」を薦めていらっしゃいましたが、フリーになっ
て全責任を負い、覚悟で張りつめるのではなく、たくさんのことを学べる場所・自分
が必要とされる場所で、良いものをじっくりつくっていきたいと考えていらっしゃる
のだと思えてなりません。
同じことで悩んでいた時、私の場合は、幸運にもいろいろな人からアドバイスをもら
うことができ、解決はしないまでも、夜中に泣くことはなくなりました。
「他にまかせられる人がいない」「もともと人に頼むのが苦手な気質」「自分で直し
てしまったほうが楽」「人の上に立つのも苦手」
この部分が、たぶんディレクターさんを(かつての私をも)孤立させ、追い込んでい
る一番の原因だと思います。
自分が力不足であることは自分が一番知っている、けれども、他人よりは自分が優れ
ていると自負している、こういう、ある意味閉じた気質が、ディレクターさんにある
のではないでしょうか。この部分をほぐしていくと、ものの見え方、周囲が自分を扱
うそのやり方が変わってくるように思います。
フリーになる覚悟よりも、自分にかかっている圧力を吐露し、他人の力を信じ頼って
みるほうが?っと楽です。摩擦が起きても、怒っても、失敗しても構わないのです。
ある場面で自分より優れている人はたくさんいるし、自分がまだまだだと思っている
ところを心から尊敬してくれる人も、必要としてくれる人もたくさんいます。
そもそも、あらゆる仕事はひとりでは回らないですから、その部分で力が抜けていな
いと、フリーになっても結局「雑用」ばかりを回されることになります。「人の上に
立つ」とか「仕事のイニシアチブを取る」というのは、結局、他人を信じてまかせる
ということだと、最近わたしは思うようになりました。
それから「雑用」という仕事は、本当はありません。
あるのは仕事だけ。それが「雑用」だと感じられる時点で、その仕事に注力できてい
ないことが分かります。
雑用だと思える仕事は、どうして雑用なのか、どうすれば雑用ではないのか考え、ど
う考えても無駄だと思えた段階でごっそり削っていくべきです。仕事の全体の見通し
を立てることで、それは可能になります。職人気質の人ほど「仕事」をするのは幸せ
なはず。ディレクターさんが、自分の「仕事」をわくわくした気持ちで押し進めてい
く、そういう時が来るのを応援しています。わたしもがんばります。

ひとまず以上です。
夜中に涙が出てくるほど追いつめられてしまう時に、なにを言われてもしんどいとい
うのは、わたしにはわかります。どうすればいいのかも、結構わかっている場合が多
いような…。
武装して状況に立ち向かうより、心を開くことのほうが、わたしにとっては突破口と
なりました。この具体的な経験を伝えることは難しいように思いますが、助けてくれ
たのは「他人」でした。

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