秘伝239号の質問 「子どもが本を読まない」

 ●質問●
いつもメルマガを拝読しています。
質問が枯渇した、ということなので、つまらない質問でもかまわないかとおもい、質問させていただきます。
 うちのむすめはまったく本を読まない、のはなぜか?
小さい頃に読み聞かせをあまりしなかったのが原因ではないか、とか、ビデオのほうが好きだったから、とか、本を与えすぎて興味がなくなってしまったのか、とか、いろいろ考えてみるのですが、ひとりむすめだし、ほかの子どもたちと比較しても比較のしようがないし、彼女がふつうなのかもしれないとおもったりもします。
中学生になり、ちまたで話題になっていれば、漫画やそれに派生した小説を買って読んでいるようですが、あるいは、ネットで話題になっている本やCDを近所の本屋で買っているようですが、もしかすると、それくらいがふつうなんでしょうか?わたしの子どもの頃が、ヘンだったのでしょうか?
漫画の発売日には本屋へ行き、映画化されているような本はたいてい誰でも読んでいたし、それでも足りずに、好きな作家の本やベストセラー、専門書、それでは飽き足らず、いつもおもしろそうな本がないか、意味もなく本屋を徘徊していたような気がします。
今、学生街に住んでいるのですが、そうやって考えると、学生が本屋を徘徊している姿というのも案外めずらしいし、それでいて、バナナダイエットが話題になると、いっせいにバナナが売り切れたり、納豆騒動のときも納豆がなくなっていたし、本屋でそういう品切れがでないのは、もしかすると本がリサイクルされているせいかもしれないし、興味があればネットで検索しているのかもしれないし、立ち読みしている人なんて皆無ですね、今は・・・礼儀正しいというか・・・
むすめと一緒に本屋へ行くのは、たいてい参考書を探しているときくらいで、5分くらいで用事は終わってしまうし、「ほかにほしい本はないの?」と訊いても、一瞬考えるのですが、「いいや」で終わりです。
もっと言ってしまうと、この前、ネットの友達と森瑤子さんの小説が話題になったのですが、もう発売されていないのでしょうか。そうやって考えて、むかし母が読んでいたような本を探してみたのですが、母の年頃になってから読もうとしてももう本屋には並んでいません。
日本のプロ野球がどうなっているのか、いつのまにかわたしにはまったくわからなくなってしまっているように、本屋へ行ってもまるで未知なる世界が広がっていて、興味がないか、知らない、かのどちらか。そこでしかたなく売れすじなどがランキングされているので眺めるのですが、ちょっと考えて、またにしよう、という感じ。またにしよう、というのは、時間のあるときに、という意味なんですが、案外忙しいのでヒマがない。
よい読者がいないのに、小説を書きたい人は増えているような気がします。でも、何を書いているのでしょうか・・・村松さんのメルマガを読んでいても、たまにわからないこともある。特に、ジャンルのことなど。だんだん偏りが出来ているのかもしれないですね、好きな人は好きだし、興味のない人はない、という具合に。
親として考えた結果は、もしかするとむすめのほうがふつうで、わたしの子どもの頃の感覚のほうがまちがっているのかもしれない、という気がしているのですが、どうなんでしょうか。

 

「解答はこちら」…まもなく239号配信です。

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