秘伝248号の質問 「抽象的な概念が理解できる文章を書きたい」

●質問●

村松恒平さま

毎回、配信されるメルマガをとても楽しみにしています。
文章の成長を促すだけでなく、心の成長も促してくれます。
本当にすごいメルマガです。

早速ですが質問です。
「抽象的な概念が理解できる文章を書きたい」のですが、どうしたらいいのか困っています。

私は今年、息子の通う保育園の保護者会役員になりました。
仕事内容は、地域の人たちへ、お便り(4~6枚程度)を発行すること。
お便りの内容は、保育園が掲げる保育理念や子どもたちの生活を地域の人に知ってもらう、ということが主です。

今年一発目の、お便りの内容は「保育園の指導内容の誤解をとこう!」ということになりました。
というのも、公園に出かけていって私が「**保育園に通わせています」というと
「うわ~、うちの子もいかせた~ィ」派と
「え……**保育園って遊び方が激しいよね。猿みたい。おまけに野放しじゃ
ん。規律がまるでない」派に別れるからです。

そこで後者の方々に焦点を定めまして、野放しに見えるけど、そこにはちゃんと意味があるのです、という内容で書きました。

具体的にいいますと……
●遊び方が激しい(例:山に登る・川に飛び込んであそぶ・喧嘩は(原則)とめない・泥遊びを満喫する)のは「心を育てることに必要なことなのだ」ということをたとえを使って説明しました。
●規律がない(昼食時のときに挨拶をしないこともある・朝、出欠席の確認をしない・みんなで机に座って作業するする時間が少ない、など)といいますが、実は子どもの様子を見ながら、皆で一斉に昼食の挨拶をすることもありますよ、といった内容。

園長先生からは「すごくわかりやすかった!こういう表現ができてうらやましいわ」と言っていただきました。しかし「私は長年保育に携わっているから、ストンと胸に落ちたけど、今の若い人たちに心を育てるってことが理解できるかはわからない」といわれました。
園長先生がおっしゃるには「今の若い人たち、特にセンター試験に変わった頃の人たちとは、心のありようについて議論ができない」そうです。抽象概念が理解できない、そうです。
実際、何人かの知人に原稿を読んでいただきました。皆一様に「難しい」との反応がかえってきました。
「独りよがりな文章を書いてしまったのだろう」と反省するとともに、難しいといった人たちの意見を大まかに分けてみました。
すると
①「心の教育」といったものに興味がない
②JIS規格みたいに「①*** ②****」と具体的な項目を設けてほしい。
③心を育てることに興味はあるけど、(保育園側の)言っている意味がわからない

といった感じにわかれました。
①については「興味云々以前に、そんなことを保育園に聞いてどうするの。保育園の仕事じゃないでしょ。そんな質問思いつきもしなかったわ」という感じの方が多かったです。これは至極当たり前のことで、こちらこそ、変なことをいってしまってすみません、と頭を下げるばかりです。

②については、まあ、そういう人もいるかな~です。

問題は③です。
「興味はあるけど、言っている意味がわからない」
こういう方にどうやって心のありようを説明したらいいのか、わかりません。
私としては「時間や子育ての経験をつめばわかってくるんじゃないかな」って思うのですが。

(もしかして、園長先生がおしゃっていた「抽象概念を理解できない若い人」たちなのかなあ、と推測していますが……ちなみに、10年くらい前の保護者たちとなら、心のそだちについて議論できたそうです。)

村松先生はよく「こころのありよう」を文章におこして書いてらっしゃいます。
(しかもわかりやすい!!)
読者の方に理解していただくために、どのような点に気をつけて、かいていらっしゃるのか、教えていただければありがたく思います。
よろしくお願いいたします。

「解答はこちら」…まもなく248号配信です。

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