効果

小説では、ハードボイルドは、心理を言葉で描くことを一切排除して、行動のみを描くという極端な手法をとることによってある種の効果をあげます。
説明を使わない。
会話を使わない。
会話以外の文を使わない。
比喩を使わない。
固有名詞を使わない。
カタカナを使わない。
漢字を使わない。
ある言葉を使わない。
何かそういう禁止を自分に課して、ある種の効果を上げることもできます。
でも、そんな手法はささいなことです。
何をやってもいい、いろいろなことができる、ということを知っていて、自分のスタイルを愛せる、それが自由ということですね。
文章を書くときにいちばん大切なことは、テーマというものをわしづかみにして離さないことです。
これさえできていれば、後はそれこそ自由に展開すればいいのです。小さい欠点は何ほどのものでもありません。